エコハウス紹介
高知県ってどんなところ?
高知県は県庁に「おもてなし課」のある日本でただ一つの県です。観光客を気持ちよく迎える環境づくりを進め、観光地の美化、観光ガイドの育成につとめています。それを有名にしたのが、有川浩氏の小説そして映画化された「県庁おもてなし課」です。そこには高知県の魅力がたくさん見えてきます。
高知県は84%を森林に覆われています。その豊富な森林資源を有効に活用するため保全対策に取り組み、森の再生に力をいれています。
木材だけではなく、土佐漆喰、土佐和紙など伝統的な自然素材が豊富にあり、それらを取り入れた、夏涼しく、冬は暖かい住宅を作る技術が古くからありました。今回のエコハウスはそれらの材料をふんだんに使ったモダンな現代民家になっています。
ローテクとハイテクを比較できるエコハウス
このエコハウスは、ハイテクなソーラーシステムを採用したソーラー棟と、対照的に木質バイオマスを用いたローテクなバイオマス棟の2棟からなり、玄関でそれらをつなぎ、自由に比較、体験できるような住宅になっています。
熱を無駄にしないハイテク棟
太陽光発電パネルを屋根に載せるだけでなく、空気集熱式ソーラーシステムを組み合わせています。発電パネルで発電することはもちろんのこと、パネルと屋根面との間に空気の通り道を確保し、パネルから熱を回収して暖房と給湯に利用。こうして太陽エネルギーの利用効率を高めています。
ゆっくり暖まるバイオマス棟
この棟では、暖房器具にペレットストーブ、温水器にペレットボイラーを使用し給湯をまかなっています。燃料は高知県産の木質ペレット。ペレットストーブによって上部に溜まった暖気をファンにより強制的に床下に引き込み、基礎のコンクリートに熱を蓄えます。それがゆっくり放熱されることで部屋全体を床から暖めます。
見学・宿泊について
当エコハウスを県学・体験宿泊(対象:これから新築・改築・設備整備を検討されている方)希望の方は、電話かFaxにてご連絡をお願いいたします。
こうちエコハウス
Tel/Fax : 088-879-3304
設計者の意図
高知県環境共生型住宅モデルハウスは、「こうちエコハウス」と名付けられ、モデルハウスとしての機能の他に、建築や地域に関するセミナー、イベント事、展示会、などが行われています。これらにより、地域とのコミュニケーションをはかり地域に馴染んでいくこと、建築やエコの勉強会などを通して新たな試みや展開が期待されます。また、自然素材を主として使用したこの建築が、これから年月を経ていき、どのように内部外部共に変化をしてゆくのかが検証されることとなります。実際に目のあたりにした人々に、深みを帯びてきたと感じられるのか、単に古びて汚いと感じられるかは今後の楽しみでもあり、不安な部分でもあります。この建物が大事に使われてゆくかどうかという事や、このエコハウスの建築としての意匠が時代の流れに対応しうるものなのかどうか、などが重要な要素ではないでしょうか。
その地域に根付いた素材を扱い、その地域の環境に適した形状、形態を持ち、その時代の要求に応えることのできる建築が最も必要な建築ではないかと考えます。そういったものは、地域性、住み手、作り手それぞれのオリジナリティーを自ずと反映したものとなるでしょう。
設計
- 株式会社 細木建築研究所
- 細木 茂
株式会社 細木建築研究所
〒780-0976
高知県高知市みづき1丁目301
Tel : 088-873-3001
Fax : 088-820-3228
Mail : haa@hosogi-a.com
http://www.hosogi-a.com/
建築概要
建物概要
構造・階数
木造軸組・2階建・柱梁構造
敷地面積
500.01㎡
建築面積
158.09㎡
延べ面積
202.70㎡
外皮面積
562.90㎡
主要な部位
屋根〜天井
鋼板0.4・アスファルトルーフィング・PB12.5・構造用合板12.5・通気層45・遮熱シート・構造用合板12.5・セルロースファイバー185吹込み・杉板12
外壁〜内壁
石灰系三方原土入り左官塗り壁・モルタル20・アスファルトフェルト・通気層15・遮熱透湿シート・構造用合板9.5・セルロースファイバー90湿式充填・砂漆喰塗り10
床〜地盤面
ナラ縁甲板・杉板36・床下空間445・ポリスチレンフォーム100・土間コンクリート150
開口部
建具の構成
既製アルミサッシ
ガラスの仕様
ペアガラスLow-E
自然エネルギー
太陽光発電
2.6kW・屋根面設置
太陽熱利用
①:屋根空気集熱式ソーラーシステム(屋根全面集熱・空気熱源HP給湯器・給湯用貯湯タンク460L)
消費エネルギー
電気
①の空気熱源HP給湯器/②:空気熱源温水HP熱源(暖房能力6.3kW:COP=4.1)
主要な設備
バイオマス燃料
③:ペレットストーブ(最大6.5kW)/④:ペレットボイラー(30kW・貯湯槽200L)
暖房方式
ソーラー棟:①のソーラーシステム(悪天候時には、①システムのダクト内に設置されたコンベクターに②の熱源による温水が循環することで暖房)
バイオマス棟:④のペレットストーブ
蓄熱 床下空間利用
①による床下空間での空気搬送
冷房方式
なし
全般換気方式
バイオマス棟:第3種換気/ソーラー棟:第1種換気(①が集熱時)と第3種換気(①が非集熱時)が切り替わる
サーキュレーター
バイオマス棟:室内循環ファン
給湯方式
ソーラー棟:①のソーラーシステムによる/バイオマス棟:④による
環境性能
| 熱損失係数 Q値(平成11年基準値) | 3.4W/㎡K(2.7) |
|---|---|
| 夏期日射取得係数 μ値(平成11年基準値) | 0.071(0.06) |
| 外皮平均熱貫入率 UA値(平成25年基準値) | 0.95W/㎡K(0.87) |
| 冷房時の単位日射強度あたりの日射熱取得量 mC値 | 12.75W/㎡K |
| 暖房期の単位日射強度あたりの日射熱取得量 mH値 | 22.12W/㎡K |
| 実開口面積比率・開放面積比率 | 22.8%・35.9% |
| 相当隙間面積 C値 | 未測定 |
| 太陽光発電パネル容量 | 2.6kW |














