エコハウス紹介
石川県ってどんなところ?
石川県は山形県とともに人口約120万人。エコハウスを建設した中で一番大きな自治体です。県庁がトップダウンで進めて、エコハウス事業から多くの政策が広がりを見せていることでも注目されています。
加賀百万石の城下町で知られる金沢市は、日本海側気候にある大都市のひとつで、兼六園をはじめとする文化資産に恵まれて毎年800万人を越える観光客が訪れています。その石川県庁の隣、県の地場産業振興センターや工業試験場など多くが集まっている一角に、いしかわエコハウスは建設されました。
このような重要な場所に敷地が選ばれた例は他にはなく、石川県がエコハウス事業にかける意気込みの大きさが伺えます。県庁の周辺にある住宅展示場にひけをとらない利便性で多くの県民に見てもらうこと、県の産業育成の中枢に置くことで多業種の多くの人材を集めること、議会や行政の関係者にも身近な存在であり続けることが、その目的です。
景観と環境に配慮しながらエコを極める
金沢市内には景観保護のために屋根が制限のある地区があります。景観を守りながら太陽光発電や太陽熱集熱パネルを普及させるためには、コンセンサスが必要です。いしかわエコハウスは2階の屋根と1階の屋根で異なる瓦を使用して2種類の太陽光発電パネルを景観や性能などから比較検討しています。
雨や雪が多く、湿度が高く、冬は晴れの日が少ないといった気候から、温暖地のエコハウス中で最も優秀なQ値1.5の断熱性能や、東西の外壁の外に木製ルーバー、窓の外のブランドで夏の日射遮蔽をはかるなど、外皮の性能が大変に優秀です。
見学・宿泊について
当エコハウスを見学希望の方は、電話かFaxにてご連絡をお願いいたします。
県民エコステーション
Tel : 076-266-0881
Fax : 076-266-0882
※宿泊は実施しておりません
活動の状況
平成22年4月の開館以降、新築やリフォームを検討中のご家族、住宅関連の業界関係者、高校生や大学生、公民館や婦人会など多数の方の見学の他、エコクッキング教室やグリーンカーテンづくりなどの講座、環境NPOの活動拠点など、ハード・ソフト両面より、住宅の省エネ化の促進を図っています。
平成24年度には、タブレット型情報端末(iPad)を利用して、いしかわエコハウスの省エネ機能や効果をわかりやすく解説する案内システム『エコかくれんぼ』を作成しました。いしかわエコハウスにひそんでいるキャラクターを見つけたら、iPad画面上でその場所をタップすると、そのキャラクターがいしかわエコハウスに採用されている様々な省エネ設備や関連の技術についての仕組みや効果などをわかりやすく解説します。
プレゼンテーションに参加しよう
いしかわエコハウスは、建物の見学だけでなく相談や、設計者や施工者への研修、エコ住宅アドバイザー制度など県が創設する政策の普及の拠点ともなっています。住宅や暮らしの省エネの最新情報がワンストップで得られる様々なプレゼンテーションに、ぜひ参加してみましょう。
設計の意図
北陸・石川県の気候は多雨多雪、冬は小日照、夏は高温多湿という特徴があります。冬の北陸で快適に暮らすための、雪に対する先人の知恵として、外部と内部をつなぐ雪のない外部空間(半屋外空間)を確保する「雪囲い」が上げられます。この知恵を取り入れ、雪から建物を守り快適に暮らすためのしつらえが、入り口アプローチに深い庇を設けた「ふれあいの小径」やガラス屋根とオーニングを組み合わせた「陽だまりの縁側」です。
また、卓越風を考慮することにより、自然風を積極的に取り込む工夫や、太陽光・熱の活用、地中熱を活用した換気など、季節に応じた自然エネルギーの取り込みと遮蔽を切替え、エネルギー負荷の抑制と、暮らしの快適性確保の両立を目指しています。
いしかわエコハウスは、見学者に対してエコハウスの建物(ハード面)が持つ、機能や効果の紹介に加え、住まい方の工夫(ソフト面)の啓発の場としても活用されています。また、設計者や施工者への研修による技術の向上を通じて、県の全域で総合的にエコ住宅の普及を図る拠点にもなっています。
このエコハウスの建設が契機となって、石川県では、「エコ住宅アドバイザー制度」や「いしかわ住まいの省エネパスポート制度」を創設しました。モデルハウスとしてのみならず、エコ住宅普及に向けた取り組みを加速させている原動力でもあります。
設計
- 株式会社 金沢計画研究所
株式会社 金沢計画研究所
〒921-8043
石川県金沢市西泉1丁目66番地1 スプリングポイント6階
Tel : 076-244-9222 Fax : 076-244-9219
Mail : office@kanazawakeikaku.com
http://www.kanazawakeikaku.com/
建築概要
建物概要
構造・階数
木造軸組・2階建・ベタ基礎
敷地面積
835㎡
建築面積
258.91㎡
延べ面積
307.61㎡
外皮面積
713.09㎡
主要な部位
屋根〜天井
和瓦・アスファルトルーフィング22kg二重張り・構造用合板12・小屋裏空間・防湿気密シート・高性能グラスウール16K 100+100・不燃PB12.5・不燃調湿クロス貼
外壁〜内壁
吹付3・ベースコート下地3・両面ガラス繊維ネット貼セメントモルタル板12.5・通気層18・透湿防水シート・A種押出ポリスチレンフォーム3種70+30・防湿気密シート・不燃PB12.5・不燃調湿クロス貼
床〜地盤面
フローリング15・構造用合板12・防湿気密シート・A種押出ポリスチレンフォーム3種60+60・床下空間500・土間コンクリート150・砕石100
開口部
建具の構成
既製樹脂製サッシ・既製木製断熱サッシ
ガラスの仕様
ペアガラスLow-E
日射遮蔽部材
東西面外壁に外付木製ルーバー
断熱補強部材
西面サッシに外付けブラインド
自然エネルギー
太陽光発電
8.068kW・屋根面設置
太陽熱利用
①:屋根液集熱式ソーラーシステム(太陽熱集熱パネル4.2㎡・空気熱源HP給湯器・貯湯槽370L)
地中熱利用
地中熱パイプによる換気負荷低減
風力発電
小型風力発電 1kW
消費エネルギー
電気
①の空気熱源HP給湯器/②:エアコン 1階和室と2階子供室と2階フレキシブルスペース(冷房能力2.2kW:COP=5.5、暖房能力2.5kW:COP=6.3)、1階ダイニング(冷房能力2.8kW:COP=4.8、暖房能力3.2kW:COP=6.0)、1階共用リビングと1階親世帯寝室(冷房能力2.2kW:COP=5.6、暖房能力2.5kW:COP=6.9)/③:空気熱源温水HP熱源(暖房能力6.0kW:COP=4.0)
主要な設備
暖房方式
②のエアコンによる暖房
補助暖房
③の熱源による温水式床暖房
冷房方式
②のエアコン
全般換気方式
第1種換気(全熱交換)、さらに地中熱パイプによる外気の予熱を行っている
給湯方式
①のソーラーシステムによる
環境性能
| 熱損失係数 Q値(平成11年基準値) | 1.5W/㎡K(2.7) |
|---|---|
| 夏期日射取得係数 μ値(平成11年基準値) | 0.028(0.07) |
| 外皮平均熱貫入率 UA値(平成25年基準値) | 0.47W/㎡K(0.87) |
| 冷房時の単位日射強度あたりの日射熱取得量 mC値 | 8.07W/㎡K |
| 暖房期の単位日射強度あたりの日射熱取得量 mH値 | 11.32W/㎡K |
| 実開口面積比率・開放面積比率 | 11.5%・22.1% |
| 相当隙間面積 C値 | 1.9㎠/㎡ |
| 太陽光発電パネル容量 | 8.07kW |



















