エコハウス紹介
豊後高田市ってどんなところ?
豊後高田市は「昭和の町」をキャッチフレーズに、日本の古き良き風景を残す町として知られています。また、国宝「富貴寺」など国東半島の気候風土に相応しい木造建築が多く今も残っています。
豊後高田市のエコハウスは、このような地域の歴史・文化と気候風土を大切にしながら、今、豊後高田市が取り組んでいる、過疎化が進む集落の再生や地域コミュニティーの再生のための施設として建てられました。
昔ながらの住まいに省エネのヒントあり
このエコハウスは、昭和の時代に豊後高田市の農村地域に多く見られた「土壁と土間のある家」です。建設地の徳六地区には、都会では見られない緑豊かで穏やかな里山の風景が広がっています。市では、市外からの人達を積極的に受け入れる定住政策として、また「地方にやってきて田舎暮らしを楽しむIターン世帯」の住まいとして相応しいこの地を敷地に選びました。
伝統的な工法や自然素材を取り入れた昔ながらの住まいに、省エネのヒントがあると考え設計されています。藁葺き屋根の古民家をイメージし、高温多湿の日本の風土に合った開放的で通気性の良い家をめざしています。建材は近隣の山の木材や竹・土・漆喰などの自然素材、昔ながらの手刻み・竹小舞土壁・貫工法の伝統的な造りです。
建物の南北に設けた大きな掃出し窓は、自然風が吹き抜ける構造になっています。また、長い軒やすだれ、落葉樹の庭の植栽は、日差しを遮り風雨をよけるための昔ながらの工夫です。屋根・天井には厚い断熱材を入れて藁葺き屋根の断熱性を再現しています。
人の温もりを感じる住まい
徳六の風舎はあたかも、昔からそこにあった住まいのように景色に溶けこんでいます。また、窓からの景色は豊後高田の四季を満喫できます。大きな窓や、明るい空間の土間は田舎暮らしを希望してやって来た住人と地域の人達とのコミュニケーションを誘う場所となります。地球環境に寄り添い、人と人との交流で温もりが感じられる住まいです。
見学・宿泊について
当エコハウスを見学・宿泊希望の方は、電話かFax、またはメールにてご連絡をお願いいたします。
豊後高田市役所 環境課
Tel : 0978-22-3100 Fax : 0978-22-3795
Mail : kankyou01@city.bungotakada.oita.jp
活動の状況
「伝統工法の継承・自然との共生・地域のコミュニティ」をキーワードに建設されたこのエコハウスでは、オープン以来、北九州市立大学の協力で、温度や湿度の長期測定調査などを通じて性能検証を行いました。地元の大工や左官が地域の素材を使って伝統的な木造建築技術により建設した住まいの環境性能を確かめる活動を続けています。
また、豊後高田市では、昔懐かしい田園風景を眺めて楽しむだけでなく、農業体験をしてみたい、あるいは豊後高田市に移り住んでみたい、そんな人達のために、地域をあげてイベントを実施しています。一ヶ月間の居住体験も可能で、その期間の居住施設としてこのエコハウスを貸し出しています。
窓からは昔懐かしい自然豊かな風景が飛び込んでくる「徳六の風舎」。暖かい薪ストーブを囲み、土間空間で地域の人々と語り合えるこのエコハウスでは、様々な体験が可能です。
【申込先】
豊後高田市観光まちづくり会社
http://www.showanomachi.com/
設計者の意図
伝統工法や自然素材を取り入れた昔ながらの住まいに、省エネのヒントがあります。地域の気候風土や敷地条件に合った風や光といった自然エネルギーを最大限に活用して電気やガスなどのエネルギー消費を最小限に抑える住宅を考えました。藁葺き屋根の古民家をイメージし、高温多湿の日本の風土に合った開放的で通気性のよい家をめざしました。建物の前(南)、後面(北)に大きな掃出し窓を設けて、自然風が吹き抜ける造りになっています。外部から風を誘い込むため、袖壁や引き戸を設置。それは住むことで発生する湿気も解消します。長い軒や、すだれを下げる設備、落葉樹の庭の植栽は日差しを遮り風雨をよけるための昔ながらの工夫。屋根、天井には厚い断熱材を入れて藁葺き屋根の断熱性を再現しています。
壁には木、土、竹といった自然素材を使用。屋内中央には薪ストーブを設けて、それを取り囲むように造った分厚い土壁は耐震強度を高め、ストーブの熱を逃がさない役目を果たします。暖気が床下を通って外に出る換気システムは床下暖房効果をもたらします。
四季が感じられ、住む人と地域の人達とのコミュニケーションが活発になるような明るい空間づくりを意識しました。
設計
- 徳永敬之設計工房
- 徳永敬之
徳永敬之設計工房
〒879-0621
大分県豊後高田市是永町490
Tel / Fax : 0978-22-2711
Mail : ftta1003@muse.ocn.ne.jp
建築概要
建物概要
構造・階数
木造軸組・1階建・ベタ基礎
敷地面積
377.00㎡
建築面積
123.22㎡
延べ面積
117.04㎡
外皮面積
299.03㎡
主要な部位
屋根〜天井
和瓦・アスファルトルーフィング(遮熱塗料付)・杉野地板15・ポリスチレンフォーム50・小屋裏空間・ポリスチレンフォーム100・防湿シート・杉板15
外壁〜内壁
杉板15竪羽目・防湿シート・ポリスチレンフォーム20+20(二重張り)・竹小舞土壁塗漆喰仕上80(真壁)または漆喰塗り・竹小舞土壁60・ポリスチレンフォーム30・竹小舞土壁90・竹小舞土壁塗漆喰仕上60(大壁)
床〜地盤面
杉板30・床下空間490・一部三和土叩き仕上げ120・べた基礎コンクリート150・防湿シート・砂利150
開口部
建具の構成
木製製作建具
ガラスの仕様
ペアガラス
日射遮蔽部材
庇・すだれ
断熱補強部材
断熱建具
自然エネルギー
太陽光発電
①:屋根空気集熱式ソーラーシステム(太陽熱集熱パネル4㎡・給湯器接続なし・貯湯槽200L)
消費エネルギー
電気
②:電気温水器(4.7kW、貯湯槽370L)
主要な設備
バイオマス燃料
③:薪ストーブ(14.6kW)
暖房方式
③の薪ストーブ
冷房方式
なし
全般換気方式
第3種換気
給湯方式
②の電気温水器による
環境性能
| 熱損失係数 Q値(平成11年基準値) | 2.8W/㎡K(2.7) |
|---|---|
| 夏期日射取得係数 μ値(平成11年基準値) | 0.057(0.07) |
| 外皮平均熱貫入率 UA値(平成25年基準値) | 0.77W/㎡K(0.87) |
| 冷房時の単位日射強度あたりの日射熱取得量 mC値 | 5.43W/㎡K |
| 暖房期の単位日射強度あたりの日射熱取得量 mH値 | 6.40W/㎡K |
| 実開口面積比率・開放面積比率 | 40.3%・45.9% |
| 相当隙間面積 C値 | 未測定 |


















