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エコハウス紹介
北九州市ってどんなところ?
北九州市は、かつては、光化学スモッグ・洞海湾の汚染など、深刻な公害問題に悩まされていました。しかし、市民や企業・行政が一体となって公害対策にとりくんだ結果、今では、紫色の空は青く戻り、環境は大きく改善され、その結果、環境未来都市として国の選定を受けるまでになりました。北九州市では、こうした経験をもとにしてエコハウスのプロジェクトを進めました。
環境を学習するミュージアムとの連携
北九州エコハウスは、市の環境学習施設である北九州市環境ミュージアムの敷地内に建設されています。環境ミュージアムは北九州市の公害克服の歴史をはじめ、様々な環境学習ができる施設です。エコハウスはその屋外展示施設としても位置づけられています。ミュージアムの展示ホールを出ると、エコ縁側や土間空間を経てエコハウスに入ることができます。団体の見学コースも準備され、環境ミュージアムを運営するスタッフがガイドとして常駐し、エコハウスの考え方や技術を見学に訪れる人々に説明しています。
北九州ならではの技術と情報の集積
北九州市は九州の玄関口に位置し、工業や物流、商業でにぎわいを見せる一方、長く美しい海岸線や郊外の緑豊かな山々など気軽に自然にも触れ合うことができる都市であり、住宅の様式も様々です。
エコハウスも多様な住宅ニーズに応えられるよう、多くの環境配慮技術を展示して伝えられるような企画になっています。4LDK二階建のコンパクトな住まいに、太陽光・熱など自然エネルギーの活用から、地中熱パイプ、屋上緑化、自然素材の内装など、様々な技術や情報が紹介されています。
北九州市の産業界は今、新しい技術の開発を進めようとしています。そのためこのエコハウスでも実験的に水素ガスコージェネレーションの設備が導入されており、発電をしながら、床暖房としてお湯のエネルギーが使われています。また、北九州で生産している様々な「エコプロダクツ」を設計に織り込んでいます。例えば、外部テラスのデッキ材や緑はパーゴラ、バルコニーの手摺などには、住宅などの廃材の木片と廃プラスチックから作った再生木材(エコウッド)を使っています。
見学・宿泊について
当エコハウスを見学希望の方は、電話かFax、またはメールにてご連絡をお願いいたします。
北九州市環境ミュージアム
Tel : 093-663-6751 Fax : 093-663-6753
Mail : info@eco-museum.com
※宿泊は実施しておりません
活動の状況
平成22年4月の開館以来、産学官民と連携した運営に努めています。北九州市民のみならず県外や国外からの来館者も多く、6万人を超える(平成25年3月現在)方々が見学に来られました。隣接した環境学習施設である「北九州市環境ミュージアム」と共に、環境を配慮することの大切さをより深く学べることも特徴です。常駐ガイドによる丁寧な案内や四季折々の独自イベント、建築関係企業との協同イベントを開催しており、住宅の環境性能を紹介するだけでなく、それに合わせたライフスタイルまで提案しています。
また、北九州市立大学との協同により北九州エコハウスにおける温熱環境やエネルギー使用の調査、学術的な見解での環境性能評価も行っています。こうした取り組みは「環境未来都市」の先端を行くものであり、北九州スマートコミュニティ創造事業の一環である北九州水素タウンプロジェクトによる純水素型燃料電池の設置や北九州市と本田技研工業との共同による日本初のFCVによるV2H実証につながっており、常に最先端の環境配慮住宅として進化を遂げています。
設計者の意図
環境共生に関する普遍性の高いデザインの採用
一般的に年月の経過とともに住宅内の諸設備等の陳腐化は否めません。しかし、屋根・壁・開口部など住まいのつくりそのものは普遍的であるべきと考え、自然風の享受、太陽光熱など自然エネルギーの利活用、断熱性の確保など基本性能を重視した計画としました。特に自然風については、南北に開口部を計画的に確保し、室内の空気の流れを意識して「風の道」を設けています。太陽光熱の利活用については、ダイレクトゲインなどのパッシブソーラーだけでなく、アクティブ太陽熱集熱器等を採用しており、その仕組みが見えるように工夫しました。断熱性の確保については、断熱に加え遮熱を重視し、木質系断熱材と遮熱シートを外壁に採用し、開口部にも遮熱塗料、障子や遮熱扉、遮熱スクリーンなどを設えています。また、外壁については壁体内結露を防止するために通気工法を適用した技術を紹介することにしました。
古くからある技術と新しい技術・製品の融合活用
古くからある技術については、温熱の調整空間で旧家にみられた土間的玄関、温熱のペリメーターゾーンとしても活用できるエコ縁側、日射遮蔽に効果的なすだれ、調湿機能のある塗り壁などを採用しています。また、木造でありながら架構は柱勝ち工法とし、金物工法と併用することで堅牢で自在な空間づくりを実現しました。一方、新しい技術・製品は環境首都を目指す北九州市が認定したエコプレミアム製品を積極的に採用し、産業振興に寄与することをアピールしています。
隣接する北九州市環境ミュージアムと連携
環境ミュージアムは年間10万人以上の来館者がある環境学習施設で、北九州市の公害克服の歴史や、身近な環境問題から地球環境問題まで総合的に学ぶことができます。エコハウスはこの施設とハード・ソフト両面で連携を図ることで、来訪者に対して効率的で効果的な情報発信・体験の場を提供しています。エコハウス運営開始後も継続的な見直しなどでスパイラルアップさせることを意図しており、北九州エコハウスが新鮮であり続けるための重要なポイントであると考えています。
設計
- 北九州市建築都市局住宅部住宅整備課
北九州市建築都市局住宅部住宅整備課
〒803-8501
北九州市小倉北区城内1番1号
- 株式会社 醇建築まちづくり研究所
- 牧敦司
株式会社 醇建築まちづくり研究所
〒810-0004
福岡県福岡市中央区渡辺通り2-8-12 リンデン東薬院
Tel : 092-737-3950 Fax : 092-732-7515
Mail : a24.rola.maki3@gmail.com
http://www.jun-machi.com/
建築概要
建物概要
構造・階数
木造軸組・2階建・ベタ基礎
敷地面積
4,100.03㎡
建築面積
130.83㎡
延べ面積
183.43㎡
外皮面積
444.68㎡
主要な部位
屋根〜天井
鋼板0.35・防湿シート・合板15・通気層30・防湿繊維板9・木質断熱材80・遮熱シート4・空気層120・塗装下地用壁紙EP-G・プラスターボード9.5下地
外壁〜内壁
シラス素材塗壁上塗り8下塗り10・透湿防水シート・合板12・遮熱シート4・通気層18・調湿繊維ボード4.5・木質断熱材100・可変透湿シート・シラス素材塗壁金コテ仕上げ5・プラスターボード12.5下地
床〜地盤面
杉床フローリング15・床合板12または床暖房パネル12・デッキ材28・床下空間645・耐圧版コンクリート150・防湿シート・砕石150
開口部
建具の構成
既製アルミ樹脂複合サッシ
ガラスの仕様
ペアガラス
日射遮蔽部材
木製ガラリ戸・すだれ
自然エネルギー
太陽光発電
2.4kW・屋根面設置
太陽熱利用
①:屋根空気集熱式ソーラーシステム(屋根全面集熱・空気熱源HP給湯器・給湯用貯湯タンク460L)
地中熱利用
在来型クールアンドウォームチューブ/地中熱パイプによる換気負荷低減
消費エネルギー
電気
②:2階ロフトエアコン1(冷房能力5.5kW:COP=3.3、暖房能力4.1kW:COP=3.7)/ 2階ロフトエアコン2(冷房能力6.6kW:COP=3.1、暖房能力5.7kW:COP=4.1)
ガス
③:ガスエンジンコージェネレーション(都市ガス使用・発電能力1000W・貯湯槽200L)/④:家庭用燃料電池(水素ガス使用・発電能力700W・貯湯槽200L)
主要な設備
予備や展示用の設備
④の家庭用燃料電池
暖房方式
①による空気集熱式太陽熱暖房と②によるエアコン暖房と③・④による温水床暖房の併用
蓄熱 床下空間利用
①による床下空間での空気搬送及び地中熱パイプ(地下1.5m長さ10m)
冷房方式
②のマルチエアコン
全般換気方式
第1種換気(①の集熱時)と第3種換気(①の非集熱時)で切り替わる。地中熱パイプによる給気の予熱あり
給湯方式
③のガスエンジンコージェネレーションと④の家庭用燃料電池の併用
環境性能
| 熱損失係数 Q値(平成11年基準値) | 3.5W/㎡K(2.7) |
|---|---|
| 夏期日射取得係数 μ値(平成11年基準値) | 0.135(0.07) |
| 外皮平均熱貫入率 UA値(平成25年基準値) | 1.37W/㎡K(0.87) |
| 冷房時の単位日射強度あたりの日射熱取得量 mC値 | 23.16W/㎡K |
| 暖房期の単位日射強度あたりの日射熱取得量 mH値 | 31.49W/㎡K |
| 実開口面積比率・開放面積比率 | 12.9%・37.0% |
| 相当隙間面積 C値 | 未測定 |
| 太陽光発電パネル容量 | 2.34 kW |





















